飲食店開業に必要な資格と許認可まとめ|届け出先と動く順番

飲食店開業に必要な資格と許認可まとめ 開業準備
飲食店開業に必要な資格と許認可まとめ

「飲食店を開くには調理師免許が要るんですよね?」——実はこれ、よくある誤解です。調理師免許がなくても飲食店は開業できます。必要な資格は意外に少ない。ただし、届け出の「順番」と「事前相談」を間違えると、開店日が平気で数週間飛びます。この記事では、必要な資格・許認可と、動く順番を整理します。

※制度の運用や費用は地域・時期で変わります。必ず管轄の保健所・消防署・公式サイトで最新情報を確認してください。

必須の資格は2つだけ

1. 食品衛生責任者。店舗に1名の設置が必要です。各地の食品衛生協会が行う1日講習を受ければ取得できます。調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格を持っている場合は講習が免除されます。講習は席が埋まりやすいので、開業を決めたら早めに予約してください。

2. 防火管理者。店舗を含む建物の収容人員が30人以上の場合に選任が必要です。延べ面積によって甲種(2日講習)と乙種(1日講習)に分かれます。こちらも講習制で、消防署や防災協会が実施しています。

本丸は保健所の「営業許可」

飲食店営業には、食品衛生法に基づく保健所の営業許可が必要です。流れは「事前相談 → 申請 → 施設検査 → 許可証交付」。申請は工事完了の2週間前を目安に出すのが一般的です。

ここで現場からの忠告を繰り返します。ロードマップの記事でも書いた通り、内装図面が固まった段階で必ず保健所に事前相談へ行ってください。シンクの数、手洗い設備の位置、床や壁の仕様。施設基準の運用は地域で異なり、工事後の検査で指摘されると手直し工事で数十万円と数週間が飛びます。図面1枚持って相談に行くだけで、このリスクはほぼ消せます。

また、現在はHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が全ての飲食店に制度化されています。小規模店は簡易版の「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」でよく、業界団体の手引書に沿って記録をつける形が基本です。

消防・警察・税務署への届け出

  • 消防署: 防火管理者選任届、防火対象物使用開始届など。内装工事の内容によっては工事前の届け出も必要です
  • 警察署: 深夜0時以降もお酒を主体に提供する店(バー・居酒屋等)は「深夜における酒類提供飲食店営業」の届け出が必要です
  • 税務署: 個人事業の開業届。青色申告を選ぶなら承認申請書もセットで。従業員を雇うなら労務関係の手続きも発生します

動く順番|時系列チェックリスト

  1. 物件の内装図面が固まったら → 保健所へ事前相談(工事着工前が鉄則)
  2. 同時期に → 食品衛生責任者講習・防火管理者講習を予約(席が埋まる前に)
  3. 工事完了の2週間前めど → 営業許可を申請
  4. 工事完了後 → 施設検査を受け、許可証交付を待って開店
  5. あわせて → 消防・警察(該当店のみ)・税務署への届け出

まとめ|資格より「段取り」で差がつく

資格そのものは講習を受ければ取れます。差がつくのは段取りです。事前相談を飛ばして手直し工事になった店を、私は何軒も見てきました。開店日から逆算して、図面の段階で保健所へ。これだけは覚えて帰ってください。

開業準備の全体の流れは飲食店開業ロードマップを、資金まわりは開業資金の考え方をご覧ください。

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